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中国 北京 高脚踊り
北京では正月になると少年や少女たちは足に1メートルほどの木の棒をつけ、高脚踊りをしながら家を巡ってまわる。おじいさんや、若い娘、暴れん坊などの役割があり、高脚で歩きながら寸劇をして見せてくれる。片足でけんけん跳びをしたり、くるりと一回りして曲芸を見せてくれる者もいる。
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中国 貴州省 正月の村芝居
貴州省に住んでいる老漢族は旧暦の小正月に伝統の地戯(村芝居)をおこなう。広場で鉦や笛太鼓が鳴りだすと、女神や英雄、鬼の仮面をつけた役者が現れた。背中には旗指物をつけ、太刀を構え、斬り合い、飛び回る。昔から有名な「三国志演戯」や「岳飛伝」の勇ましい歴史の場面に見物人は拍手し、声援を送る。これが京劇のもとなのか。
芝居が終わると、楽隊の笛太鼓にあわせて仮面をつけた役者たちは勇ましいかっこうで村廻りをする。
正月行事の悪魔払いで「儺戯(ヌオシイ)」と呼ばれ、貴州省をはじめ、湖南省、雲南省にひろがっている民俗芸能だ。わが国の節分行事である「追儺(ついな)」はこの行事が伝わったものだ。わが国の能は「儺(ヌオ)」にもつながりがあるのではないかと日中双方で考える学者が出てきた。
老漢族は明(ミン)の時代に江南から貴州省の山岳民族を鎮圧するために移住させられた屯田兵の子孫である。貴州省には5万人ほど住み、明時代の服装や言葉、習慣を未だに失わず伝えている。
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シンガポール 龍の踊り
正月は世界中のチャイナタウンで中国人により盛大に祝われる。
シンガポールのチャイナタウンでは太鼓やドラの音にのって踊りながら龍がやってくる。若者たち20人ほどが杖で龍の長い胴体を支え、飛び跳ねて駆けめぐる。龍は渦巻くように踊り、立ち止まると口を大きくあけ、パッと火を吐き出す。周りでは爆竹がパチパチと鳴り響く。眺めている見物人もこれで悪魔払いがすんだという、さっぱりとした気分になる。龍の踊りの好きな人はいつまでも龍の後に続いて町を巡る。
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シンガポール チンゲイ祭
人口の75%が中国系であるシンガポールは毎年旧暦正月15日頃に正月を祝う大パレードをする。シンガポール各地から、また外国からも、この祭りに参加するために民族芸能団が集まる。「チンゲイ」(chingay=「粧芸」)とは、もともと装飾を施した小さな舞台(ステージ)または山車(フロート)のことであるが、広くは「仮装の技」という意味である。
日暮れになると、シティホール前にきらびやかな衣装の舞踊団やフロートと呼ばれる山車がぞくぞくと集まってくる。
レーザー光線が夜空に投射され、その下でパレードはスタートを切る。獅子舞の群が出発すると、ローラースケートをはいたドラゴン・ダンスが空中に波を打って追いかける。台湾からきた少年たちの曲乗り、インドからきたカタカリ踊り、ブラジルのサンバ群舞、フランスからきた巨人、アメリカ、ヨーロッパからの踊り手たちへと続く。23芸能団の3000人が息もつかせず踊って虹のように流れていく。
1973年にはじまったチンゲイ・フェスティバルは今や世界中の芸能団がパレードに参加するシンガポール最大の祭りに発展した。
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ベトナム ハノイ 人間将棋
ベトナムでは正月をテトと呼び、爆竹を鳴らし盛大に祝う。若者と乙女がそれぞれ王様やお姫様、兵士や宮中に仕える女性たちの姿をしてハノイ市の民族文化センターに集まってくる。本堂の前の中庭がそのまま将棋盤になり、若者と乙女に別れて勝負を競う。王様やお姫様は冠をかぶり、背中に籏さし物をつけて、王座に着席する。その配置はなかなか美しい。将棋は本物の将棋士が別の盤の上で指し、人間将棋の人物は動かない。そのかわり、籏を持った少年が本物の将棋の駒通りに地面を動き回って、取ったり取られたりして勝負が決まる。
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台湾の元宵(がんしょう)
台北市では毎年旧暦の1月15日を元宵節として正月最後の行事であるランタン祭りをおこなう。中正記念堂のまわりにはランタンを飾った豪華な山車が100台ちかく並ぶ。それぞれの山車には伝説の英雄をモチーフとした人形が飾られる。中正記念堂の中では長さ100mの龍が舞い、獅子舞、高足、豊漁・豊作祈願の踊り、各地の郷土芸能が奉納される。祭りの最後には中国ではめでたいとされる不老不死の神様としてあがめられている福禄寿が登場し、今年1年の人々の繁栄を祈る。
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韓国 水原 農楽
正月に家族は伝統の晴れ着を着て、父母や祖父母に挨拶をして家族間の結束を固める。子供たちはお年玉をもらい、おいしいごちそうをいただく。それから親戚や目上の人たちを訪れ、新年の挨拶を交わす。
村々では農楽が踊られ、新年を祝う。水原では、「農は天下のもと」と書いた大きな籏に続いて大勢の若者たちがやってくる。太鼓やドラにあわせて、くるり、くるり、飛び跳ねて踊ってみせる。首を勢いよく振りまわすと、帽子につけた白いテープが流れるように空中をめぐり見事だ。農楽を踊る少年たちは秋の豊作を祈って踊るので、どこの家でも歓迎される。
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日本 横浜 中華街の春節
横浜市中区山下町の中華街は1867年に日本で初めての中国人たちの居留地として誕生した。現在では500?のエリアに6000人の人々が住み、500以上の店が軒を連ね、横浜の観光スポットともなっている。旧暦正月には、在日中国人たちが正月を盛大に祝う。前の晩の大晦日には、広場で高校生を中心とした若者たちにより獅子・龍舞いがおこなわれるなかで、元旦へのカウントダウンがはじまる。元旦には、威勢良く爆竹がはじけ、ドラの音が響きわたり、龍は波が押し寄せるようにうねりながら中華街の中を行き、獅子は逆立ちなどアクロバットをしながら舞う。龍や獅子は中華街のお店をまわりながら今年一年の繁栄を願う。中国各地の少数民族による民族衣装パレードも行われる。この日に、世界中のチャイナタウンで、中国系の人々は華やかな新年を迎えている。
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